一口馬主を始めるにあたって配当金は関心が高い項目かと思いますが、実際にどのような賞金が存在して、実際に出資者に返ってくる金額がどの程度か具体的なイメージは付きますでしょうか?
本記事では獲得賞金と実際に出資者へ返ってくる配当金の目安を各クラスでの獲得賞金を交えて説明しますので、一口馬主を始めるにあたって必要な費用の記事と合わせて一口馬主を始める際の収支イメージの参考にして下さい。
賞金と控除について
出資馬がレースに出走した際に獲得出来る賞金は主に以下の2種類になります。
- 本賞金/出走奨励金
- 特別出走手当
本賞金と出走奨励金は着順により名称が変わるだけでどちらか一方が支給されます(5着までが本賞金、6~9着が出走奨励金)
特別出走手当は着順関係なく、完走すると貰える賞金で約45万円獲得出来ます。
また、上記の賞金諸手当が全て出資者に還元される訳ではなく、以下の項目が控除されます。
- 進上金
- クラブ手数料
- 消費税
進上金は調教師、騎手、厩務員へ支払われる出費で賞金の20%。クラブ手数料は若干のばらつきはあるものの3%前後のクラブが多いです。
進上金とクラブ手数料については特別出走手当を除いた賞金にかかり、消費税は獲得賞金全般にかかります。
上記で記載した賞金に対しての控除を踏まえると実際に出資者へ入ってくる配当は獲得賞金の約7割程度になります。
賞金の目安
ここでは出走によって獲得出来る賞金について説明します。1着の賞金はイメージ出来る方も多いと思いますが、2着以下の賞金についてはあやふやな部分も多いと思いますので、参考にして下さい。
順位における賞金の配分
まずは順位における賞金配分の割合を以下に記載します。
1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 |
100% | 40% | 25% | 15% | 10% |
6着 | 7着 | 8着 | 9着 | |
8% | 7% | 6% | 3% |
基本的に賞金は9着までもらえますが、5着以内でもらえる金額の配分が大きいので、掲示板確保が1つの期待するラインになるかと思います。
また、2着から5着まではパーセンテージの幅が広いのでここの着順1つは大きな意味合いを持ちます。上記の表で確認すると5着と8着では4%しか賞金に差は出ませんが、2着と5着では30%の差が出るので、割合の大きさが伝わるかと思います。
クラス別の獲得賞金一覧
次に各クラス別に5着までの獲得賞金の一覧を記載します。JRAの賞金シュミレーターで条件を入力することで記載以外の順位やクラスの獲得賞金も確認することが出来ます。レースの条件や内国産 or 外国産、牡馬 or 牝馬などによって差は出ますが、目安は下記になります。
クラス | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 |
---|---|---|---|---|---|
未勝利 | 740万 | 320万 | 220万 | 150万 | 120万 |
1勝 | 930万 | 400万 | 270万 | 180万 | 135万 |
1勝特別 | 1250万 | 520万 | 350万 | 230万 | 170万 |
2勝 | 1340万 | 560万 | 375万 | 240万 | 175万 |
2勝特別 | 1750万 | 730万 | 480万 | 300万 | 210万 |
3勝 | 2050万 | 850万 | 550万 | 350万 | 250万 |
OP | 2550万 | 1050万 | 680万 | 430万 | 300万 |
上記の表を見て分かる通り、1着から5着までは賞金の変化が大きいので、上位クラスで5着になってもそこまで稼げない現実です。
OPクラスでの5着よりも未勝利戦の2着の方が賞金が大きい点などはかなり予想外ではないでしょうか。
6着以下になるとさらに獲得賞金が減るので下手に勝ち上がってしまって上のクラスで頭打ちになるよりは1つ下のクラスで善戦を繰り返す方が金銭面では馬主孝行の馬と言えます(出資馬が勝った時の喜びは格別なのでもどかしい思いを繰り返すことになりますが)
後は特別競走(レース名に名前が付いているレース)は獲得賞金が大きく、本賞金が通常クラスの約1.5倍くらいになるのでチャンスですね。
特別競走は1勝クラスではあまり存在せず、2勝クラスは半々くらい3勝クラスは全て該当なので、2勝クラスくらいで善戦を繰り返す馬が意外とトータルの獲得賞金が高いですね(2勝クラスで好走を繰り返す馬に出資することもハードルは高いのですが・・・)
レースでの獲得賞金と控除のサンプル
それでは具体的なレースの賞金明細を用いて賞金と控除を紹介したいと思います。下記は出資馬のシュヴェルトライテが3勝クラスで2着になった時の賞金明細になります。
本賞金に加え、出走奨励金や付加賞、出走手当が追加され860万円の獲得賞金となっています。ここから進上金とクラブ手数料、消費税が引かれます。源泉徴収所得税は確定申告で他馬の赤字分で相殺して返ってくるので無視すると実際に出資者に入ってくる金額は約600万となります。
よって上記で記載したように実際に出資者へ返ってくる金額が獲得賞金の約7割程度になっているかと思います。
まとめ
この記事では出資馬が出走した際の配当について賞金と控除の種類から各クラスの順位別に獲得出来る賞金について実際の明細を交えて紹介しました。
馬券を買うときには気にすることの無かった4着以下の着順も一口馬主では重要な意味合いを持つことや一口馬主DB等で表示される金額からどの程度出資者に返ってくるのかがイメージ出来たのではないでしょうか。
別記事で紹介している一口馬主の費用についての記事と合わせて一口馬主を始めた際の収支イメージを考える参考にして頂けると幸いです。
また、一口馬主の年間収支を下記の記事で紹介しているので、こちらも参考にして下さい。